燃料棒除去の着手まで10年

東電の榎本聡明顧問によると、「燃料棒除去の着手まで10年」だそうです。 なぜ、それだけの時間がかかるのか。その間、今避難している住民はどうなるのか。農民や漁民への補償はどうなるのか。燃料棒除去の費用は誰がどう負担するのか…

100,000年後の安全

「100,000年後の安全」というドキュメンタリー映画を観てきました。 原発から排出される高レベル放射性廃棄物(簡単に言えば使用済み燃料棒)の最終処理場を巡る話です。舞台はフィンランド。オルキルオトという場所に建設中の放…

魚と放射性物質:追記

やはり、コウナゴからセシウム137が検出されました。 海の生物たちは、海に広がったはずの放射性物質を、悲しいかな、せっせと集めて体内に取り込み、濃縮までしてしまうのです。 食物連鎖に従って、コウナゴを食べる中型魚、大型魚…

魚と放射性物質

今ごろになって、「水産庁、検査強化 「魚の体内で濃縮せぬ」の見解再検討」だそうです。恐るべき不見識! 水産庁には、食物連鎖と生体濃縮に関する知識を持つ役人が一人もいなかった?そんなわけないでしょう。皆、運良く魚から高濃度…

再臨界は起きているのか?

「再臨界は起きてるのか?」 3月11日以来、私は多くの友人から、この質問を受けてきました。私の答えは、「燃料棒が溶融した直後に、短い間、再臨界に達した可能性はあるが、今は起きていないだろう」というものでした。この裏付けは…

人類史上最悪の海洋汚染(2)

では、核分裂生成物(放射性物質)の種類別に、この海洋汚染で危惧される内容を見ていきましょう。 ●ヨウ素131 多くの方が、もう暗記してしまったと思いますが、ヨウ素131の半減期は8日と比較的短いものです。今現在、かなりの…

人類史上最悪の海洋汚染(1)

3月30日に1~4号機の放水口で採取した水から基準値の4385倍のヨウ素131を検出。福島第1原発による海洋汚染が進んでいます。 思い出してみましょう。かつて、これほど大量の放射性物質が海に流れ出したことがあったでしょう…

GE Mark1 設計に特有の脆弱さ

毎日新聞にちょっと興味深い記事が出ました。 GE Mark1に関わる話。GE Mark1とは、クルマのモデル名ではありません。GE(ゼネラル・エレクトリック社)が1960年代に開発し、売りまくったベストセラー原子炉の名前…

原発ウオッチャーたち

昨日、仕事の関係で数名の女性と初めて知り合いました。休憩時間中の雑談は話題は、なんと「福島第1原発の事故」。彼女たちは、ユーストリームで配信されている原子力安全・保安院の会見や東電の会見をほとんど見ているとのこと。リアル…

気がかりな農業・畜産業・漁業/福島浜通

福島第1原発の20㎞圏内に、「避難したら乳牛が死んでしまうから」と残り続けている畜産農家があるそうです。涙が出てきます。「オレたちは、何も悪いことをしていないのに」。あまりにも当然の言葉です。 畑に収穫寸前のキャベツを残…

通常冷却水の1千万倍!?

「2号炉のタービン建屋(原子炉建屋とは別の建物)内で、通常冷却水の1千万倍の放射線を発するヨウ素134が検出された」というたいへんなニュースが流れた今日、3月27日。 先ほど、東電から発表は間違いで、ヨウ素134ではなく…

食物連鎖と核分裂生成物

福島第1原発の排水から、基準値の千倍を超す濃度のヨウ素131、同じく79倍のセシウム137が検出されました。それを受けて、原子力安全委員会の班目春樹委員長は「放射性物質は海では希釈、拡散される」として、「人が魚を食べても…

東京水道水戒厳令の謎

東京都が金町浄水場でのヨウ素131の検出データにもとずき、その配水地域である23区と武蔵野、三鷹、町田、多摩、稲城の5市に「水道水の乳児の飲用制限」を要請したのは 3月23日のことでした。いわば「東京水道水戒厳令」の発令…