サンオノフレ原発、廃炉決定!

アメリカ、カリフォルニア州。サンオノフレ(サンオンフレ)原発の廃炉が決まりました。ロサンゼルスとサンディエゴのちょうど真ん中あたりにある原発です。

蒸気発生器の配管からの放射能汚染水漏れに端を発し、住民運動と、それに押されたアメリカ原子力委員会からの稼働不認可などがあり、運営会社が判断したようです。「無理に修理して再稼働しても、元が取れない」と。

サンオノフレ(サンオンフレ)原発
風光明媚な風景の中に、あまりに不似合いな原発。廃炉の道筋は長いですが、その決定は評価に値します。

さて、サンオノフレ原発は、福島第1の沸騰水型とは異なり、加圧水型というタイプの原子炉です。
二つのタイプの決定的な違いは、沸騰水型では、放射性物質をタップリ含んだ冷却水を気化させた水蒸気が直接発電タービンを回すこと。加圧水型では、原子炉で高温高圧に加熱された一次冷却水(汚染水)が、蒸気発生器を通ることで、放射性物質を含まない水(二次冷却水)を水蒸気にして、発電タービンを回すということです。
簡単に言えば、タービンを回すための水蒸気を作るメカニズムが、加圧水型では二段構えになっています。

●加圧水型と沸騰水型

原発推進派の中では、巨大な力が加わるタービンに汚染水が直接触れないため、加圧水型は沸騰水型に比べて、安全性が高いという主張が主です。

一方、加圧水型では、一次冷却水で二次冷却水を加熱・冷却する蒸気発生器の配管が複雑で、重大な問題が起きる可能性が高いということは、1970年代から指摘されてきました。
今回のサンオノフレの蒸気発生器に見つかった、1万5千か所という摩擦による不具合は、上記の危惧が正しかったことを意味しています。

実は、今、世界で原子炉を作っているメーカーの系列は、たった4つしかありません。

日立系=沸騰水型
東芝系(ウェスティングハウス)=加圧水型
三菱重工 + アレヴァNP=加圧水型
アトムエネルゴブロム
です。

サンオノフレは加圧水型で、蒸気発生器は三菱重工製。三菱重工は巨額の損害賠償請求を受けるようです。

三菱重工は、トルコへの原発輸出計画を直ちに中止すべきです。

そして、カリフォルニアは、太平洋をはさんで日本列島の対岸ですが、これは対岸の火事では済みません。
日本では、北海道電力、関西電力、四国電力、九州電力各社が加圧水型の原子炉を採用しています(三菱重工系と東芝系あり)。ただちに、蒸気発生器を含む原子炉のすべての構造に対して、徹底的な調査を行うべきでしょう。
幸いにも、大飯を除くすべての原発が止まっているのですから。すべての核燃料を炉心から取り除き、調べ尽くすべきです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください