通常冷却水の1千万倍!?

「2号炉のタービン建屋(原子炉建屋とは別の建物)内で、通常冷却水の1千万倍の放射線を発するヨウ素134が検出された」というたいへんなニュースが流れた今日、3月27日。
先ほど、東電から発表は間違いで、ヨウ素134ではなく、セシウム134(半減期=2年)だったと訂正されました(慌ててこの原稿も書き直しています)。半減期が52.5分のヨウ素134が大量に検出されたとすれば、再臨界すら疑わなくてはなりませんが、ひとまず、その心配はなくなったようです。ただ、セシウム134も放射制限物質である事に変わりはありません。安心してはいけません。

さて、このところ、通常の冷却水の千倍とか1万倍とかに汚染された水が、主にタービン建屋で見つかっています。冷却水というのは原子炉の中で燃料棒を冷やすのと同時に、その熱を貰って水蒸気になり、発電用のタービンを回す水のことです。燃料棒に直接触れるので、核分裂生成物が含まれる「危険な水」。普段なら、少量の冷却水が漏れただけで全国紙の一面に載るニュースです。その冷却水の千倍・1万倍の濃度と言ったら、とてつもない量の核分裂生成物を含むということです。

これだけの放射性物質が出ているということは、燃料棒の破損が重篤である事の証です。東電は、例によって、ヨウ素とセシウム中心のデータしか出していませんが、かなり多くの種類の核分裂生成物が検出されているようです。また、燃料棒の主役とも言えるウラン235や、核分裂反応で余った中性子がウラン238に吸収されてできるプルトニウム239も含まれていると考える方が自然です(発表されないので裏の取りようがありませんが)。ウラン235やプルトニウム239が極めて危険な放射性物質であることは言うまでもありません。

もはや、この大事故には、日本中の、いや世界中の知力と技術力を持って立ち向かうしかありません。東電と国が、包み隠さず、すべてのデータを公開することで、普段は原発に反対していたり、懐疑的だったりする科学者や技術者から、貴重な意見が出てくる可能性もあります。
また、恥も外聞も棄てて、外国からの意見も広く求めるべきでしょう。

データを隠し続けて、何かが進展することはあり得ません。

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