海の生態系の汚染が本格化してしまった

やっと福島沖のプランクトンの調査結果が発表されました。

『プランクトンから高濃度セシウム』【NHK】
沿岸3kmの海域で669ベクレル/kg。高い数値です。
報道では、「スズキなどの大型魚」への影響を懸念していますが、プランクトンは多くの魚の栄養源。例えば、動物プランクトンの代表格=オキアミは、「海洋生態系のエンジンを動かす燃料」とまで言われています。心配なのは、スズキだけではありません。今まさに、南下の旅真っ盛りのサンマは、オキアミを追っているのです。

 

外殻を持つプランクトンは動物性、植物性を問わず、セシウム以上にストロンチウム90を溜め込みます。プランクトンの殻は、その大部分が炭酸カルシウム。殻を維持するためには、たくさんのカルシウムが必要なのです。ストロンチウム90はカルシウムと化学的な性質が似ているため、カルシウムと勘違いして取り込み、そして溜め込んでしまいます。下の図は、河川の例。ストロンチウム90などの放射性物質は、食物連鎖の上位に行くほど濃縮されます。これは、生体が栄養素を濃縮する生体濃縮という機能を持っているからです。放射性物質は、命を維持するための機能を逆手に取ってくるのです。

 

今回のプランクトンの件は、放射性物質による海洋生態系の汚染が、少なくとも3ヶ月ほど前には本格的に始まっていたことを意味しています。それは食物連鎖によって、すでに私たちの食生活を脅かしています。ストロンチウム90をカルシウムと勘違いして溜め込むのは、プランクトンだけでなく、すべての生体に共通。人間もまた例外ではありません。

一方で、プランクトンの調査を徹底して行えば、海域ごとの汚染度が分かり、魚を獲ってよい場所と獲ってはいけない場所を、ある程度明確にすることができます。先回りして対策を立てることが可能になるのです。

とにかく、食の安全と漁業者の暮らしを守るために、プランクトンの調査を早急に、大規模に行う必要があります。もちろん、ストロンチウム90を調べなければ意味はありません。また、今回のように7月の調査結果が、今頃になって出てくるようでは、話になりません。速やかにすべてのデータを公開することも大切になります。

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