波紋を広げる年間20ミリシーベルト

数日前にこのブログでも取り上げた「学校の校庭利用の放射線量上限を年間20mSv(マイクロシーベルト)とする政府の安全基準」が大きな波紋を広げています。4月20日以前は、一般人の被ばく限度量は一律1mSv/年だったのですから、一気に20倍です。すんなりいくわけがありません。

この件に関連して、小佐古敏荘東大教授が内閣参与を辞任しました。ただ、この人、ちょっと調べてみると、近畿原爆症訴訟集団認定訴訟で国側に立った唯一の証人で、無責任な証言を繰り返した人物なのです。「小佐古敏荘 原爆症認定訴訟」でググってもらえば、すぐに分かります。
その小佐古教授が『原子力災害の対策は「法と正義」に則ってやっていただきたい』とか『「国際常識とヒューマニズム」に則ってやっていただきたい』なんて言い出したのだから、原爆症認定訴訟の関係者は、まさに「開いた口がふさがらない」と思っていることでしょう。「あの小佐古教授の口から、ヒューマニズムなんて言葉が飛び出すなんて…」と。彼が改心したのか、それもと、揶揄されているように「御用学者も逃げ出す」状況なのか定かではありませんが、20mSv/年がどれほど非常識な数字であるかを示すエピソードには違いありません。

今日30日午前中の衆院予算委員会で、菅首相と枝野官房長官は、「年間20mSv」を巡って右往左往の答弁を繰り返したようです。
まずは、原則が大切です。「一般人の被ばく限度量は一律1mSv/年」という基準を守り続けなければ、なし崩し的に被災者の、そして、私たちの健康はないがしろにされていくでしょう。

一方、現状で1mSv/年を厳守すれば、避難地域はある程度広くなるでしょう。しかし、文科省が発表した来年の3月11日までの累積線量推定マップによれば、30km圏内にも、1mSv/年以下と思える地域はあります(このマップには10mSv/年までしかプロットされていませんが)。

内部被曝に関しても、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)のデータを避難地域の再検討に活用することができます。

残念ながら、話は、子供を外で遊ばせなければ、なんとかなるというレベルのものではありません。また、学童疎開のような短期的な対策では意味がありません。
なぜなら、この事故からの避難は、数ヶ月で済まないからです。短くても数年、場所によっては数十年に及ぶことも考えられます。子供が暮らせない場所に、町や村を維持することは不可能です。子供が住めない場所には、大人も住めないのです。今のところは、福島第1原発から20km圏内を「警戒区域」、20km~30km圏内を一律に「緊急時避難準備区域」、20km以遠で20mSv/年を越えることが予想される地域を「計画的避難区域」としていますが、1mSv/年を基準に、避難の問題を根本的に考え直す必要があるでしょう。

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