脱原発の選挙へ

12月16日の衆院選挙が決まりました。
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、消費税増税など様々な問題を抱える今ですが、最大の争点は、言うまでもなく原発問題です。
本気で脱原発に向かえるのか?
福島の被災者を救えるのか?
私たちが、これからの原子力政策を決める場。それが今回の衆院選なのです。
具体的には、投票で意思表示をするわけですが、なにしろミニ新党乱立状態。どの政党がどんな主張をしているのか、正確に掌握している人は少ないのではないでしょうか。そこで、今現在の各党の主張をまとめてみました。選挙公約として公表されているものあれば、代表者の発言を要約したものもあります。また、選挙戦が進むと、言うことを変える政党も出てくると思います。そこまで含めて注視していきましょう。
●ただちに、全原発を廃炉へ
一覧表を見ると、明確に原発推進を打ち出しているのは、自民党と国民新党、太陽の党です。他に、公明党は自民党とともに原発推進を担ってきた勢力であり、再稼働も容認の立場。日本維新の会も再稼働容認。これらの政党は問題外です。民主党は「原発をゼロにする方向感」という、なんとも分かりにくい曖昧さ。一方で、再処理を推進し、大間原発の建設再開、原発輸出推進など、矛盾だらけです。これを脱原発の立場と見ることは出来ないでしょう。民主党が本気で脱原発に取り組んできていれば、3.11から1年8か月もたった今、こんな状態にはなっていなかったはずです。「日本の主要政党の中で唯一、脱原子力の立場を明確にしている政党」と威張る社民党。そのホームページを見ると、「実際に電力エネルギーの3分の1程度を原子力が担っている現実は無視できませんし、直ちにすべての原子力発電を廃止することは現実的ではありません」という言い訳が目を引きます。この夏、稼働していた原発は大飯だけ。無理矢理火力を止めて「電力が足りないふり」をしようとした関西電力でしたが、結局、原発なしでも電力は足りていました。社民党はいったい何を考えているのかと疑いたくなります。直ちに全原発の廃炉は可能です。

共産党は今は「即時原発ゼロ」ですが、3.11以前は「原子力の平和利用賛成」の立場でした。反省しろ!とか、総括しろ!とか古くさいことを言うつもりはありませんが、なぜ、「原子力の平和利用賛成」から「即時原発ゼロ」へと主張を変えたのかを明確にすべきでしょう。なぜなら、そこに私たちが原発推進派に騙され続けてきた理由が隠されているからです。

他にも、脱原発を主張する政党はありますが、どこも、どうやって全原発の廃炉を実現するのか、ロードマップ的なものを提示できていません。
ここでは、原発反対派が一致して合意すべき『ただちに脱原発』ロードマップのアイデアを公開したいと思います。

この図だけではありませんが、当ブログの静止画は、基本的にリンクフリー、コピーフリーです。気に入ったものがあったら、どんどんご活用ください(出典だけ明記をお願いします)。さて、図を見て頂ければ、おおむねの流れはお分かりいただけると思いますが、何点か補足説明をしておきます。

まず、原子炉からの核燃料の取り出しを急ぐのは、そのままでは大きな危険があるからです。「取りあえず止まっていれば大丈夫なのでは」と思われる方がいるかも知れませんが、そうではありません。
原子炉が停止していれば、確かに、スリーマイル島やチェルノブイリのような運転ミスが引き金になるような事故は起きません。しかし、なんからのトラブルで冷却水が抜けたり、循環しなくなった時、福島第1と同じようなメルトダウン事故は起きるのです。それは、使用済み核燃料が激しく発熱しているからです。なんらかのトラブルとは、大地震とか津波、飛行機の墜落、隕石の衝突など、いろいろ考えられます。
ですから、原子炉内にある使用済み核燃料をできるだけ早く、少しでも安全な冷却プールに移す必要があります。さらに発熱量が少なくなったら、共有プールに移すべきです。

新燃料の核燃料会社への返却売却は、夢物語ではありません。本ブログで既報の通り、世界有数の核燃料供給企業『カメコ』が、買い取りの姿勢を示しています。

●福島の被災者を救う道
各政党の原発政策を読んで驚くのは、どこも、福島の被災者たちをどう救うのか、具体的な提案をしていないことです。
いまだに高い放射線量下にありながら、移住する権利を認められていない人たちがたくさんいます。全域が警戒区域に指定されている双葉町の住民は埼玉県の旧騎西高校に集団避難。いまも200人ほどが廃校で集団生活を送っています。それを忘れてはいけません。
移住する権利、新しい生活をはじめる権利はないがしろにされたままなのです。
すべての政党・候補者は、福島の被災者をどう救うのか、その方針を明らかにすべきです。

●私たち自身が、政党や政治家を引っぱる気持ちで!
一つ勘違いしたくないのは、私たちは、自分の意見に合う政党や政治家を選ぶだけではないということです。
たとえば、大規模なデモや集会が、政治を動かす力を持っていることは、この間、明らかになっています。そこまで行動できないという人たちは、とにかく、原発のことを家族や友人と語り合うことです。それが束になれば、政治を動かせます。
私たち自身が、政党や政治家を引っぱる気持ちで、今回の衆院選に臨みましょう。
必ず『脱原発の選挙』にしなくてはなりません。

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