世界の原子力利権と日本-3『世界の原子炉を支える日本企業』

「再転換」の次は「燃料成型加工」です。
二酸化ウランの粉末を焼き固めてセラミックス化し、燃料被覆管に詰め込みます。これが核燃料棒で、束ねると核燃料集合体になります。
国内で使う核燃料の「燃料成型加工」は、日本の原子燃料メーカーが担っています。下の図はその一覧です。
それぞれ、東芝、日立、三菱重工という原子炉メーカーと深いつながりがあります。また、アレバとウェスティングハウスという世界的な原子力産業との関係も見落とせません。

次に世界の原子炉メーカーを見てみましょう。

ロシアのアトムエネルゴブロムを除く3社に日本企業が深く関わっています。ウェスティングハウスに至っては、東芝そのものと言ってもよいでしょう。世界の原子炉マーケットは、日本企業が牛耳っているのです。
ちなみにアメリカは、スリーマイル島の事故以来続けてきた新設凍結の禁を破って、新たな原子炉2基の建設を決めました。この原子炉はウェスティングハウス製(=東芝製)です。

ところで、事故を起こした福島第1の原子炉メーカーは、
1号炉=GE
2号炉=GE(+東芝)
3号炉=東芝
4号炉=日立
です。
道義的に考えれば、過酷事故に深く関わった東芝と日立は、事故収拾と廃炉プロセス以外の原子力事業から、直ちに撤退すべきです。
しかし、実情はまったく異なります。
原子炉の建設はもとより、ウラン採掘から始まる原子力利権構造の中で守銭奴と化す。かれらが大好きなはずの「日本人の潔さ」はどこに行ってしまったのでしょうか…

もう一つ、原子炉マーケットの状況を裏読みしてみましょう。
ウェスティングハウスがアメリカの企業からイギリスのBNFL(英国核燃料会社)に売却されたのは1998年。さらに、2006年には東芝に売却されます。
一方、GE日立ニュークリア・エナジーの発足は2007年6月。
どうも、アメリカもイギリスも、事故が起きれば大きな責任を追及される原子炉の開発・建設から、体よく逃げ出そうとしているのではないでしょうか。実際、アメリカの世界的IT企業の一つは、内規で、どんなに利益が見込めても原子力関係のシステムには絶対に手を出さないと決めています。もし、コンピューターシステムが原因で事故が起きたら、その責任を負いきれない(要するに、会社が潰れる)と考えているからです。

数行前に「道義的には…」と書きましたが、本音を言えば、日本企業が自主的に世界の原子力利権から手を引くことは不可能だろうと思っています。
まず、日本政府が完全脱原発路線を明確にすること。企業がついて来ざるを得ない状況を作らないといけないのでしょう。そして、政府に重い腰を上げさせるには、私たち一人ひとりが声を上げ続けるしかないのです。

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