核種分析、間違いの怪

4月21日に発表された東電のプレスリリースでは、3月24日・28日・29日に原発施設内で採取した試料に対する核種(放射性物質の種類)分析の間違いが発表されました。
タービン建屋でのデータから、目立つ変更点を拾ってみましょう。

●1号機タービン建屋地下の溜り水(1回目)
塩素38:1.6×10の6乗Bq/cc → 検出限界未満

●2号機タービン建屋地下の溜り水(再測定)
テクネチウム99m(半減期=約6時間):4.8×10の5乗Bq/cc → 2.5×10の4乗Bq/cc

●3号機タービン建屋地下の溜り水(2回目)
テクネチウム99m(半減期=約6時間):2.2×10の3乗Bq/cc → 6.8×10の2乗Bq/cc

●4号機タービン建屋地下の溜り水
テルル129(半減期=約70分):26Bq/cc → 検出限界未満

この内、塩素38については、その存在自体が再臨界の証とてアメリカの科学者から指摘され、大きな問題となったものです。
テクネチウム99mとテルル129は、主にウラン235の核分裂反応によって生成される放射性物質。ともに半減期が短いため、検出されれば、これまた再臨界が疑われる物質です。

3月11日以来、東電から何度か分析結果の間違いが発表されました。再発表では、いずれも深刻な事態(例えば、再臨界)の可能性が打ち消されています。これって、信用できますか?

プレスリリースには、「原子力安全・保安院より厳重注意を受け」と書いてありますが、本当は、「反対派の科学者から問題視されるようなデータを無闇に発表するな!」と脅されたたのでは、と勘ぐりたくなるのも当然です。

(この話は、次の記事に続きます)

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