地方の力を、住民の力を

福島第1原発の1号炉や2号炉などと同じGEMark1というタイプの原子炉が稼働するバーモント・ヤンキー原子力発電所を巡り、バーモント州のシャムリン知事が運転期間の延長を認めないと決定。同原発を運営する電力会社「エンタジー」社は、これを不服として、連邦裁判所に訴えました。地元の反発がさらに強まっています。

韓国・釜山発「原発が故障で運転停止 住民が稼動中止申請」
設計寿命の30年を超えて運転を続ける古里(コリ)原発1号機について、4月12日、釜山周辺住民97人が稼働中止を求める仮処分を申請しました。釜山では、福島第1原発の事故をきっかけに「反原発」の動きが強まっています。なお、仮処分申請のその日、同機は電源系の故障により、運転を停止しています。福島第1原発の事故を受けて、ヨーロッパ各国で脱原発へと大きく舵が切られたのは、皆さんご存じ通りです。
ここへ来て、アメリカと韓国から、それも地域レベルでの反原発・脱原発の動きが伝えられました。原発とともに暮らす住民たちは、世界中、どこでも大きな不安を抱えているのです。

すでに原発がある地域では、「最初に原発を認めてしまったから…」「原発がなくなるとたくさんの住民が失業してしまうから…」といった事情から、原発に反発できない空気があるようです。
しかし、考えてみましょう。そもそもの話として、国や電力会社が「原発は絶対安全だから」という条件を提示して始まった話です。今回の福島第1原発の事故によって、その前提は崩れ去りました。約束は電力会社と国によって反故にされたのです。住民側が過去に交わされた約束や契約に拘束されることはありません。さらに、就労問題についても、原発の稼働が中止された場合には、そこで働いていた住民の就労先を確保する責任は電力会社にあるはずです。
今、日本は統一地方選の真っ只中。地元から反原発・脱原発のうねりが生まれれば、少し変わっていけるのかも知れません。
いや、地元だけでは不十分です。原発の周辺に暮らしていなくても、私たちは望むと望まざるにかかわらず、原発で作られた電気の消費者になっています。一票を投じるための重要な判断基準として、候補者の原発に対する姿勢を確認していく必要があります。

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