当ブログで再三警告を発してきた、極めて危険な核分裂生成物の一つ、ストロンチウム90が正式に検出されました(変な表現ですが)。
例によって、国やマスメディアは「危険な量ではない」を連呼していますが、少しだけ正確に記事を読んでみましょう。検出された場所は、福島第1原発から30㎞以上も離れた場所です。原発に近づけば近づくほど、ストロンチウム90の濃度が上がるのは当たり前で、20㎞圏、10㎞圏、あるいは原発至近で、どの位の値が出ているのか、すぐさま公表すべきでしょう。海への流出状況も明らかにすべきです。
ストロンチウム90の数値は、立ち入り禁止区域の設定や避難指示、農作物や水産物の安全確保など今後の被爆対策に大きく影響するからです。
また、朝日新聞がサラッと書いていますが、ストロンチウムは水溶性です。海洋汚染や地下水の汚染のことを考えると、これはたいへん重要。注視していく必要があります。
それにしても、関係機関が言っている「ストロンチウム90の検出には1週間から4週間かかる」は本当なのでしょうか?確かに、ヨウ素131やセシウム137の崩壊がガンマ線とベータ線を発するのに対して、ストロンチウム90はベータ線しか発しないという違いがあります。しかし、ベータ線(電子線)をどうやっても検出できないなんて聞いたことありません。また、ベータ線の解析によって、放射性物質の種類は特定できるのではないのでしょうか?この辺の問題について、国側ではない専門家からの意見が欲しいものです。
なお、ストロンチウム90に関する基礎知識は、まずは本ブログ「ストロンチウム90に警戒を」「再度、ストロンチウム90に警戒を」「人類史上最悪の海洋汚染(2) 」をご参照ください。