気がかりな農業・畜産業・漁業/福島浜通

福島第1原発の20㎞圏内に、「避難したら乳牛が死んでしまうから」と残り続けている畜産農家があるそうです。涙が出てきます。「オレたちは、何も悪いことをしていないのに」。あまりにも当然の言葉です。
畑に収穫寸前のキャベツを残してきた農家や、津波でやられた漁港に破損した漁船を残してきた漁師。彼らの無念はどれほどなのか、計り知ることすらできません。
今朝は、24日にキャベツ農家の男性が自殺をしていたという悲しいニュースが入ってきました。「東電と政府から補償金をもらえるのに、なぜ?」と思われる方がいるかも知れませんが、わが子同然に育ててきた作物や牛を失うことは、お金であがなえるものではないのです。しかし、死ぬのだけはやめてください。何も生みませんから。

今後、福島第1原発の周辺には立ち入り禁止区域が設けられ、一部の農家・酪農家・漁師は立ち退きになるのでしょう。補償も俎上に上がってきます。その時に、東電と国に求めたいのは、絶対に金銭だけの補償にしないということです。代替農地、代替牧場、代替漁港という物理的な補償を考えるべきです。勝手な言い分かも知れませんが、住民の皆さんも、絶対に農業や漁業を棄てないでください。仮に新しい農地を得たとしても、耕し慣れた畑と違って苦労の連続になることは分かっているつもりです。それでも、頑張って欲しい。そうしなければ、福島浜通の農業・漁業は消えてしまいます。

今もまだ、原発からの核分裂生成物(放射性物質)の漏出が止まりません。つい先ほどは、本サイトで再三危惧していたプルトニウムが原発附近の土壌から検出されたというテレビのニュースもありました(数日前には検出されていたようです)。よい方向に向かっているというニュースは、まだ一本も入ってきません。

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