プルトニウムは大丈夫か?(3)

さて、福島第1原発です。
これまでの話で、3号炉の燃料棒にもともとプルトニウム239が含まれている他、他の原子炉でも、使用中や使用済みの燃料棒にプルトニウム239が含まれているのはお分かりいただけたでしょう。
福島第1原発では、一部の原子炉本体や使用済み核燃料貯蔵プールに水を浴びせ続けています。そうしないと、核燃料(燃料棒)が溶融するという重大な事態になるからです。現状ではやむを得ないのですが、一部破損している見られる燃料棒からプルトニウム239が流れ出している心配はないのでしょうか。放水車から浴びせた水は、一部は土に染み込み、多くは海に流れ出します。東電から原発附近の海水に含まれるヨウ素131とセシウム137のデータは発表されましたが、プルトニウム239に関しては、まったく言及されていません(プルトニウム239に加えてウラン235も流出している可能性有り)。

*ちなみに何度か起きた水素爆発によってプルトニウム239が大気中の広い範囲に撒き散らされた可能性は低いでしょう。それは、プルトニウム239が非常に重い金属だからです。比重で見ると、金よりも少し重いです。

チェルノブイリ事故の報告でも土壌中に残ったプルトニウム239の分析が行われています。ただ、このデータは原発から10㎞以遠のものなので、原発のすぐ近くでは、どの程度の汚染があったのかは分かりません。

今回、もし、プルトニウム239の海への大量流入が進んでいるとしたら、人類史上初めての事態です(チェルノブイリは近くに海がありませんでした)。すべてのプルトニウム239が、燃料棒の中に留まってくれているなら、それはそれで不幸中の幸いです。一方で、私のように危惧をしている人間もいます。東電と政府は、一刻も早く、福島第1原発のプルトニウムに関する情報を全面的に公開すべきです。

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