●天下りでスパイ雇い入れ!?
今朝の毎日新聞、一面トップのスクープ記事です。
『東電:原発事故後も天下り招請 東京都元局長を雇用』
『東電天下り:関係改善の切り札 固辞する元局長を説得』
東電が、東京都の元環境局長を天下りで雇い入れ、都庁に対してスパイまがいの情報収集活動を展開していたことが明らかになりました。
3.11以前から、この人物に対する東電からの天下り招請はあったようですが、5月に再打診。拒否されたが、8月に東電が強引に押し切ったというのが大まかな流れ。元環境局長は、東電の「アドバイザー」に就任。期待通り、都が進めるLNG発電所建設計画などについて、都庁の後輩から情報収集を進めていたようです。このスパイ氏、今年2月に、毎日新聞が取材に動いていることを察知。アドバイザーを辞任したようです。
恥を知れ!東電。この期に及んで天下りか。おまけにスパイ活動。この会社、やることなすこと、社会の常識からかけ離れすぎています。
●一旦値上げ、原発再稼働で値下げ!?
きょうは毎日新聞デー。もう一つ、注目値する記事が…
『東電特別事業計画:家庭用値下げ盛る 再稼働前提、値上げ後の18年度』
家庭向け電気料金は、一旦値上げするが、「柏崎刈羽原発の再稼働」を前提として、2018年度には現行料金に比べ、5%安い水準にすると。
この事業計画は、原子力損害賠償支援機構がまとめつつあるものですが、支援機構と東電の合作であるのは間違いないところでしょう。
「福島第1の事故でお金が足りなくなったから、値上げするよ」「原発再稼働させてくれたら、ちょっと値下げのご褒美もあるよ」
お客を舐めるのもいいかげんにしろ!と言いたくもなります。
こんな見え透いた甘言に騙されてはいけません。
それにしても、どうしても原発を再稼働させたい勢力は、こんなに必死なのか… 裏に巨大な利権構造があるからです。
1954年(昭和29年)、当時改進党に所属していた中曽根康弘、稲葉修らによって原子力研究開発予算が国会に提出されました。以来、60年近く、電力会社・中央の政治家・重電メーカー・ゼネコン・地方議員・地元の土建業者などを中心とする「真っ黒い利権構造」は、膨張を重ねてきたのです。ここにしがみつく連中は必死です。
しかし、それに負けてしまったら、何も変わりません。日本列島は遅からず、第二の福島第1を経験することになるでしょう。
私たちは、原子力なんていう危険極まりない手段を使わなくても、十分にエネルギーを得ることができ、豊かな生活を育むことができるはずです。いや、原発は、私たちの安心で安全な生活を破壊する凶器でしかないということが、3.11で身に浸みているはずです。大事故は収束の見通しすらついていません。政府や東電は40年とか50年とか言っていますが、実際には、100年経っても、あの場所を安全な更地にすることは不可能です。
そんな中で、「値下げ」というニンジンをぶら下げて、強引に原発の再稼働を図ろうとする国と東電、そして原発利権集団。怒りを通り越して、呆れるばかりですが、ここは怒りを持続!全原発の廃炉を絶対に実現しなくてはなりません。