「東電:中間貯蔵施設受け入れに前向き 福島第1敷地内に」
本来なら東電には、福島第1から出た放射性物質の原子一個一個に至るまで回収して、福島第1の施設内に戻す義務があります。
自動車メーカーは、リコールになれば、すべての対象車を回収して無償で修理または交換します。しかし、この間の東電の態度はどうだったでしょうか?自らの責任を回避することだけに没頭しているとしか見えませんでした。
福島第1をチェルノブイリ事故と比較する時に、決定的な違いとしてあるのは、チェルノブイリは実際の運営も含めて「国」が行っていたということです。福島第1の直接的な運営は営利目的の私企業です。
語弊を恐れずに言うなら、私企業は、本来、事故が起きた時のリスクまで含めて、営利と交換しているはずです。もちろん、原発は国が強力にバックアップしたという事実はありますが、第一義的な責任は、間違いなく東電にあります。その責任をノラリクラリと逃げかわしてきたのが、この半年間でした。
もちろん、東電の責任は除染や汚染物質の受け入れ、農業や漁業の補償だけでは済みません。長期間にわたって故郷に戻れなくなる人々の暮らしをどうするのか?今は国と自治体任せで、その国も自治体も明確な方針を打ち出せないでいますが、本来なら東電がやらなくてはいけないことです。それができないなら、原子力発電などやるべきではなかったのです。本来なら、それが企業の論理でしょう(世界的にも有名なアメリカのあるIT企業は、原発関係のプロジェクトには参加しないと極秘の内規で決めているそうです。万一、コンピュータシステムが原因で重大事故が起きた場合のリスクを担保しきれないからです)。
電力料金の値上げなど以ての外。可能な限り資産を売り払い、それを補償と電力供給の原資に当てるべきです。
「放射性物質の原子一個一個に至るまで持ち帰る」
その意識を東電の経営陣が持ってくれれば、少しは事態は好転していくだろうにと歯がみしています。