さて、もう一つの重要なのは、全米にある原発の位置を示す地図です。
これは、アメリカ合衆国原子力規制委員会のホームページからゲットすることができました。
これは、アメリカ合衆国原子力規制委員会のホームページからゲットすることができました。
注意しなくてはいけないのは、「アメリカの原子力施設と乳がん患者の相関関係」が、 1985年~89年の間の乳がんによる死亡率に基づいている点です。原発地図が作られた2010年から逆算すると、稼働年数が0年から29年の原発グループを除いて考えなくてはなりません(この地図上で残るのは、「1980年以前に稼働し、現在も動いてる原発」=53基になります)。そうすると、先の地図で黒やグレーで塗られていたカリフォルニア州の一部には原発がないことになってしまいます。しかし、よく考えてみると、上の条件に合う53基以外にも、「アメリカの原子力施設と乳がん患者の相関関係」に関連する原発がありうることが分かります。現在までに廃炉にされた原子炉と、1980年代前半に稼働し始めた原子炉です。インターネット上で、現在廃止されている原発まで、すべて網羅している資料を発見。
カリフォルニアには、「現在までに廃炉にされた原子炉と、1980年代前半に稼働し始めた原子炉」という条件にぴたりと当てはまる3つの原発があったのです(西暦は稼働時期)。
カリフォルニアには、「現在までに廃炉にされた原子炉と、1980年代前半に稼働し始めた原子炉」という条件にぴたりと当てはまる3つの原発があったのです(西暦は稼働時期)。
●フンボルト湾原発
1963~1980
●サンオンフレ原発
1号炉:1967~1992
2号炉:1982~
3号炉:1983~
●ランチョセコ原発
1974~1989
この内、ランチョセコ原発は、スリーマイルアイランドとチェルノブイリの事故を受けて、住民運動が廃炉に追い込んだ原発です。この件は、別の機会に紹介するとして…
上記、3つの原発を地図上にプロットしてみました。
「奇妙な一致」を越えて「驚くべき一致」!正直言って、背筋が寒くなりました。J.M.グールドの「アメリカの原子力施設と乳がん患者の相関関係」に認められる例外は、ロッキー山脈とミシシッピー川の間にある5つの原子炉だけです。
さて、このグールドの研究を日本に紹介した『内部被曝の脅威』(ちくま新書)の著者・肥田舜太郞さんは、グールドの統計手法を日本に当てはめようと考えたそうです。しかし、日本で原発の周りに160km圏を設定すると、日本中が塗りつぶされてしまい、その試みを諦めたそうです。笑えないどころか、恐ろしいエピソード。そして、それこそが、日本列島に今ある低線量被ばくの実情に他なりません。福島第1の事故を算入しなくても、すでにそこにある原発の恐怖。もう一度認識し直しましょう。
原子力発電所の大きくて高い煙突…
あそこから出ている白い煙は、単なる水蒸気ではありません。必ず核分裂生成物(放射性物質)が含まれているのです。
追記:
今回、「アメリカの原子力施設と乳がん患者の相関関係」を追跡するに当たって、当サイトよりも先に、独自の観点からこの資料を取り上げていたサイトを発見しました。敬意を表するとともに、ここにご紹介させていただきます。
<3.11 乳がんの増加が示すもの>