プルトニウムは大丈夫か?(2)

使用済み燃料棒の中に含まれるプルトニウムの比率は1%程です。実は、このデータがなかなかなくて探していたのですが、(財)日本原子力文化振興財団が運営する原発の宣伝サイトにありました。なんという皮肉… しかし、このサイト、一歩踏み込んで注意深く読んでいくと、原発がいかに危険なものなのかが、良く分かります。ご一読お薦めです。

さて、話を本筋に戻しましょう。1%と聞くと「大した量じゃない」と感じる方も多いと思います。しかし、そこがプルトニウムの恐ろしいところ。プルトニウムの大部分を占めるプルトニウム239は、放っておくと、アルファ線(ヘリウム原子核)を出しながらウラン235に変わります。アルファ線は人体に重大な損傷を及ぼす放射線です。半減期は24000年で、ウラン235の7億年に比べると、かなり短いもの。半減期が短いということは、ある時間内に出す放射線が強いということに他なりません。実際に、ある程度の純度のプルトニウム239は、アルファ線を出すことで強く発熱するそうです。

プルトニウム239は体内に取り込まれると深刻な体内被曝を引き起こします。特に呼吸によって肺に入った場合、肺がんを発症する危険性が高くなります。肺の細胞に対して、長期的にわたってアルファ線を浴びせ続けるからです。
「アルファ線は紙一枚でも防御できる」なんて言って危険性を過小評価する科学者もいますが、実は、肺に入ってしまったら、その一枚の紙すらプルトニウム239に被せることができないのです。

(続く)

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