深刻な体内被曝を起こすとされる核分裂生成物のストロンチウム90の情報が、東電からも、国からも、自治体からも、まったく出てきません。
ストロンチウム90は、半減期はおよそ30年で、ベータ線を放出しながらイットリウム90に変化します。体内に入ると容易にカルシウムと入れ代わり、骨に蓄積されます。そうなれば、骨髄にピンポイントでベータ線を照射するようなもの。骨髄では血液が生成されているため、細胞の分化が盛んです。人体の中でも、放射線にもっとも敏感な器官の一つと言えます。
チェルノブイリ事故の検証では、ストロンチウム90の危険性が大きく扱われています。
今回の福島第1原発の事故においても、アメリカのウォールストリートジャーナルが、いち早くストロンチウム90の危険性を訴えたのは衝撃的でした。
東電と国は、ストロンチウム90に関する情報を全面的に公開すべきです。