原発作業員:被ばくでがん 労災10人

毎日新聞が7月26日の朝刊で「原発作業員:被ばくでがん 労災10人」と報じました。
原発作業員の放射線被ばくによるがん発症や労災認定は、その事実を知る人すら少なかったのではないでしょうか。原発を推進する電力会社や国が隠したがるのは当然ですが。この記事の中で目を引くのは、がんを発症した10人の内、9人までが累積被ばく線量が100ミリシーベルト以下だったという点です。ウェブ上では詳細データが紹介されなかったので、紙面のコピーを貼り付けておきます。

表を一見しただけで、現在、福島第1で適用されている「250ミリシーベルト以下」が、どれほど危険な数字なのかが分かります。
一方、がん以外の場合には労災認定自体に高いハードルがあり、実際には原発での被ばくによって健康を害している(場合によっては、死に至る)例は、ずっと多いと考えられます。
なんからの対策を講じないと、必死になって収集作業に取り組んでいる福島第1の作業員の中から、たくさんの悲劇が生まれることは間違いありません。さて、この記事は、原発の作業員の健康問題を主眼に据えて書かれていますが、実に多くのことを示唆しています。

まず、「年間100ミリシーベルト以下の被ばく量なら安心」
と言ってきた放射線専門家たちは、この事実を前にどういう態度を取るのでしょうか?専門家ですから、累積被ばく線量が50ミリシーベルト程度かそれ以下であっても、労災認定されていることを間違いなく知っているのです。犯罪的と言ってもよいでしょう。

労災認定された10人それぞれの被ばくの期間は明確にはなっていませんが、91年に白血病で亡くなった嶋橋伸之さんの場合、8年10か月の累積被ばく線量が50.63ミリシーベルト。年平均にすると5.73ミリシーベルト/年です。「子供の被ばく線量を20ミリシーベルト/年に」などとというのが、いかに許しがたい数字なのかは明白です。

また、被ばくによる労災認定に明確な基準があるのはがんでは白血病のみです。白血病を引き起こしているのは、主にストロンチウム90だと考えられます。ストロンチウム90は、体内に入ると骨に集積し、骨髄に集中的にベータ線を浴びせ、白血病を引き起こすからです。ところが、福島第1の敷地内はもとより、周辺地域や海水から、どれほどのストロンチウム90が検出されているのか、ほとんど明らかにされていません。
いまだに続く、東電と国による情報の隠蔽。この流れをどこかで変えないといけない。つくづく思います。

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