年間20ミリシーベルト!?

原発事故は地域社会と地方文化を根底から破壊してしまう。人類は、チェルノブイリでたくさんの命とひきかえに得た重大な教訓を生かすことができませんでした。

文部科学省は、昨4月20日付けで教育現場向けに「放射能を正しく理解するために」なる通達を示しました。
もっとも重要な点は、従来、一般人(大人)において年間1ミリシーベルト以下とされてきた被ばく量の基準を、子供まで含めて年間20ミリシーベルトにまで一気に引き上げたことです。
一般に子供は大人に比べて10倍放射線に敏感だとされます。単純計算すると子供に対する基準を200倍引き上げたことになります。

さて、年間20ミリシーベルトという数字ですが、一日8時間屋外で活動するとして、一時間あたりに換算すると毎時3.8マイクロシーベルトになるようです(細かい計算の根拠は不明)。
ところが、この毎時3.8マイクロシーベルトという数字は、原子力施設はもちろん、病院のレントゲン室の近くなどでも見られる「許可なくして立ち入りを禁ず」と表示されている「放射線管理区域」(毎時0.6マイクロシーベルト以上)の6倍以上の放射線量に当たります。

放射線管理区域
こんな基準の適用を絶対に許してはなりません。以下に、緊急声明と署名依頼が出されていますので、紹介しておきます。
【緊急声明と要請:子どもに「年20ミリシーベルト」を強要する日本政府の非人道的な決定に抗議し、撤回を要求】福島県内で放射線モニタリングを実施した小中学校の75%以上が、「放射線管理区域」を越える放射線量下にあるそうです。
それでも、一部の関係者からは、トンデモ発言が続いています。佐々木康人・日本アイソトープ協会常務理事は、「年20ミリ・シーベルトの放射線量を浴びても、吐き気や火傷などの身体的影響は出ない。発がんのリスクが上がるとされるが、避難しないですむなどのメリットがある場合、限度を引き上げる選択肢がある」(出典記事)と語ったそうです。「避難しないですむメリット」とは誰にとってのメリットですか?そのメリットは、東電と日本政府にとってだけのものです。住民は、「発がんのリスクが上がる」というリスクを背負い込むのみなのです。

唯一、住民の健康を守れる方法は、避難地域の指定を広げた上での集団移住です。短期的な目途しか立たない学童疎開では対応しきれません。この記事の最初に書いた「地域社会と地方文化の喪失」は、ある程度やむを得ないでしょう。命が先決です。
東電と国は、住民の命を守る重大な責任を負っているという当たり前の自覚すらできていないように思えてなりません。

追記:
東京電力は、この期の及んでも、自社の保養施設や研修施設を被災者に提供することは一切していないようです。どういう神経をしているのでしょうか。

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